ミツマタ
ミツマタの枝はどこまでいっても必ず三つに分岐する特徴があるため、そんな姿からミツマタという名が付いた。樹皮に含まれる繊維は強度が高く、古くから紙の原料として使われている。日本には繊維植物として各地に広がったため、紙幣の原料となっていることも有名。うつむくように下を向いて咲く花には芳香があり、小さな花が集まって半球形をつくっている。
トチノキ
北海道西南部から九州中北部までの山地に見られる落葉高木で日本の特産樹。晩夏から初秋にできる果実は直径3~5センチの球形で、熟すと三つに裂け、クリのような種子が顔を出す。種子にはサポニンという有毒の成分が含まれるため、野生動物はほとんど食べることはないが、人間は古来より種子をアク抜きをして食用にしてきた。この種子は通称「とちの実」と呼ばれる。
ゴヨウマツ
北海道南部・本州・四国・九州の山地に自生する、日本固有のマツの一種。アカマツやクロマツは2本ずつ束生するのに対して、ゴヨウマツは5本ずつ束生することに由来して五葉松という名前になった。五葉松は「御用待つ」という語呂から、「御用を待つ」、「仕事を待つ」そして「良い仕事が舞い込みますように」という願いを込めて、縁起物として贈り物やお祝いの席に用いられる。
ヒメグルミ
オニグルミの変種。種子の核が薄くて割りやすいため栽培され製菓用とされ家庭に普及した。外観はオニグルミと同じで見分け難いので、実の皮が剥がれて殻が露出する段階でゴツゴツしたオニグルミと判別できるようになった。オニグルミより堅果は平たく皺がなくハート形。オニグルミより殻が柔らかい。
ロウヤガキ
中国の中部を原産とする渋柿の一種。正式にはロウアガキ(老鴉柿)というが、発音しにくいためか一般的にはロウヤガキとして流通している。鴉はカラスを意味し、真っ黒に熟す実の様子をカラスになぞらえて命名された。普通の柿のように枝に直接できず、ぶら下がってできるのが特徴。果肉は少なく、中身はほとんどが種である上、味もエグみがあって食用にならない。
ハナナス
草丈は1m以上になり、葉や花は普通のナス(茄子)と同じ。実は熟すと白から橙色~赤色と変化して行くので、1本の茎に橙黄色と赤色の実がつく。一見ミニトマトのようにも見えるが、食用ではなく観賞用として栽培される。
クリ
日本原産の和栗。野生のシバグリを品種改良したもので、果実が大きく風味が良いのが特徴。一方甘味はやや少なく、渋皮が剥がれにくく果肉は割れやすい。和栗は原産地である日本国内だけではなく、古くから朝鮮半島などのユーラシア大陸東部にも自生しており、産地が日本ではない和栗も市場に流通している。また、変種も多く存在する。
ツノナス
別名フォックスフェイスという。フォックスフェイスとは熱帯アメリカ原産のナス科の植物。果実の付け根部分に突起ができ、形が狐の顔に似て見える特徴からフォックスフェイスと名づけられたが、これは和製英語で英語名とは違う。果実は食べられず、毒性の強いアルカロイド系のソラニンという成分が含まれる。
チョウセンゴヨウ
松ぼっくりは日本に自生するマツの中では最も大きく、表面はヤニに覆われており、触れるとベトベトするのが特徴。ドイツの植物学者が群馬県で発見するまでは、朝鮮半島に固有のマツと考えられていたため、チョウセンゴヨウと呼ばれる。
ヤブラン
原産地は日本を含む東アジアで、日本の気候によく馴染んで暑さ・寒さに強く、育てやすいのが特徴。漢字で「藪蘭」と書き、名前に「ラン」が入っているが、ラン科の植物ではない。「藪のような暗がりでも咲く花」というのが花名の由来といわれる。和名で古くは「山菅(やますげ)」や「菅(すげ)」と呼ばれ、万葉集にも登場する。花後に実をつけるが、すぐに果皮が取れて、黒い種子が剥き出しになる。
オキナワスズメウリ
ウリ科の一年草のツル植物。名前に「オキナワ」とついているように暑さにはとても強いが、寒さにはとても弱い。「スズメ」とつく名前の通り、直径約2cm程度の小さなかわいらしい実をたくさん実らせる。ウリという名前だが有毒で、食用ではない。花が自然受粉して咲き終わると、白いストライプ模様が入った直径2cm前後の緑色の実がふくらみ、熟すにつれて真っ赤に変わっていく。
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