ナンテン
「難点(難を転じて福となす)」に通ずることから、縁起物として知られる植物。中国原産のナンテンは平安時代に中国から伝来した。“南天”という名称は中国での名称が簡略化され、なまったもの。
シャリンバイ
花が梅に似ていて、枝葉が車輪状に生じることから命名された。葉の雰囲気はモッコクに似ていて、別名ハマモッコクとも呼ばれる。大気汚染や夏の暑さ・潮風に強い。初夏のタイミングで梅のような白い花を咲かせる。花からほのかに甘い香りが感じられるのも特徴の一つ。実には有毒性がなく食べられるが、可食部が少ないため、食用には不向き。
くちなし
名前の由来は諸説あり、「果実が熟しても裂けたり弾けたりしないので、口が無い“口無”」、「果実の頂点に残るガクを鳥のくちばし、果実自体を梨に見立てて、口のある“口梨”」である。夏、香りの高い、白い花を開く。初夏の風によって運ばれてくる甘い香りから、「喜びを運ぶ」という花言葉がついた。ポジティブな花言葉から、海外ではクチナシの花をプロポーズの時に贈ったり、ウェディングブーケに使ったりする。秋に熟す実は古来より染料として利用されてきており、ターメリックやパプリカと並ぶ、代表的な着色用スパイス。漢方では、山梔子(さんしし)と呼ばれ、解熱鎮痛剤として広く利用されている。食用で有名なのは、たくあんやきんとん、ゼリーなどの色付け。
オニグルミ
日本在来種のクルミ。その殻は熊でも歯がたたないと言われるほど固く、その見た目から鬼を連想させるため、オニグルミという名前になっている。「オニ」は、実の核面のでこぼこが著しく、硬くてなかなか割りにくいことによる。樹の上では緑色の厚い皮に包まれて育つが、熟して落ちると皮は腐り、硬い殻の実が転げ出る。丈夫な歯をもつリスや森のネズミは、殻の壁を破って中身を食べる代わりに、一部を運んで埋めて、種まきを手伝う。水辺では水に浮いて運ばれる。
ヒメヤシャブシ
名前は、10月から11月に熟す果穂のかたちが夜叉のように見え、五倍子(ぶし)のようにタンニンを含むことから。成分であるタンニンは黒色の染料に利用される。ハゲ山の緑化に有効なため、「ハゲシバリ」とも呼ばれる。ハンノキとの区別:ヤシャブシは、雄花序に柄が無く、直接枝から下垂する。 ヤシャブシの種類:・ヤシャブシ;実が1~3個ずつつく。・ヒメヤシャブシ;実が3~6個ずつつき、垂れ下がる。・オオバヤシャブシ;実が一個ずつつく。
メタセコイヤ
メタセコイヤの語源は、ギリシャ語の「後の・変わった」という意味のメタと、「セコイア(世界最大のスギ科の常緑樹で姿が似ている)」からなっている。1945年に中国の四川省の村で発見されるまでは絶滅種として化石でしかその存在が知られてなかった。
お茶
ツバキ科の植物であり、ツバキに似た白い花を咲かせ、その一年後に実をつける。中国型とインド型の二種に分かれ、葉っぱは緑茶や紅茶の茶葉となる。日本緑茶の原種となったのは、中国型の品種で、細い茎に細長い葉っぱを付けることが特徴。一方インド型は紅茶に適している。
ヤブツバキ
日本を代表する椿の自生種。一般的に椿(ツバキ)と呼ばれ、園芸品種の基本種となっている。ツバキの木の寿命は長く、成長は遅いのが特徴。日なた、日陰どちらでも育ち、土壌を選ばない。実の中にある種子からはオイルが取れ、椿油としても知られる。
ヒノキ
世界でも日本と台湾にしか分布しない樹種で、木造建築に用いる構造材では最高級の樹種として広く認識されている。ヒノキの油分には、殺菌やリラックス効果をもたらす効果が確認されており、構造材としても高い強度を安定して維持するなど、建築材として優れた特性を持っている。日本最古の木造建築である法隆寺にもヒノキが使われている。ヒノキは、一度嗅いだら記憶に残りやすい特有の強い香りが特徴。針葉樹の中でも最も水気・湿気に強く、軽い。
サザンカ
ツバキとそっくりだが、日本の固有種。10月~12月に白い花が開花し、晩秋の花として親しまれてきた。ツバキより耐寒性が弱いため、暖かい地域に分布が見られる。花ごと落ちるツバキに対して、サザンカは花びらがバラバラと一枚ずつ落ちるので、開花時期なら見分けるのは簡単。
ハンノキ
花の後にできる実は堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)で、松かさ状となる。果穂/実の集まり。隙間からこぼれるタネが本当は実。10月頃に熟して細かな種子を散らすが、実はその後も枝に残り、春の芽吹きが過ぎても枝についたまま。ヤシャブシとの区別:ハンノキは長い柄の先から雄花序が下垂する。
カヤ
世界に7種存在する。中国に4種、アメリカに2種、そして日本に1種。日本国内では、岩手県、山形県以南の本州、四国、九州の山野に分布している。榧の寿命は1000年にも及び、高さ25m、直径2m程度にまで育つ。榧の木質は、油分が豊富でやや重厚、適度な堅さと弾力性があり、特有の芳香がある。光沢のある淡黄色の色あいで、木肌はきめが細かく、緻密で美しい木目があらわれる。また、耐久性・耐水性にも優れ、昔は建築材や船舶、風呂桶など幅広く使われていた。
カラマツ
庭木として一般的に使われるクロマツやアカマツとは異なり、成長がきわめて早い。日本特産のマツとしては唯一の落葉性のため、「落葉松(ラクヨウショウ)」と書くことがある。名前の由来は落葉して葉がカラになる(あるいは枯れる)ことにちなむとする説、カラマツ林の様子が、唐時代の中国で描かれた絵画に登場するマツ林に似ているためとする説、単に外来のマツと考えられたことによるとする説がある。
コウヤマキ
和歌山県の高野山や大台ヶ原に多いことからコウヤマキと名づけられた。高野山では「高野山六木」に数え上げられる。日本固有種。コウヤマキ科には本種のみしかなく、「一科一属一種」の珍しい植物である。樹姿は東京スカイツリーのデザインの原点ともなっており、端正な円錐形が基本となっている。木材は水に強く腐りにくいので、浴槽や風呂桶などの水回りのものによく使われ、香りもフルーティーである。また、コウヤマキのエキスは高い殺菌作用があり、歯磨き粉やオーラルグッズにも使われている。
ギンナン
中国原産のイチョウの木の実。イチョウは“活きた化石”と言われるほど大昔からある樹木。基本的には「ぎんなん」といえば種子を指す意味で用いられることが多い。生命力の強い植物として知られ、中国では子孫繁栄を願って結婚式の日に、新郎新婦がギンナンを食べる習慣があるといわれる。銀杏は決して弱くない毒を持っているので、食べすぎには注意が必要。実の周りに付いてるブヨブヨも触ると被れるので銀杏拾いする際は素手ではしないようにしよう。
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